朝食を抜くと、昼食後の血糖値が急上昇する?

「朝食を抜くと、
昼食を食べたときに
血糖値が急上昇すると聞きました。
半日断食をしていても
大丈夫なのでしょうか?」
以前、お客さまから、
このようなご質問をいただきました。
三保製薬研究所では、
前日の夕食から翌日の昼食まで食事をとらない
「半日断食」という食習慣をご紹介しています。
だからこそ、
今回のご質問は避けて通れない、
とても大切なテーマです。
朝食を抜くと、昼食後の血糖値は上がりやすくなる?

まず、研究結果から見てみましょう。
2019年に、
広島大学を中心とした研究グループが、
若い健康な日本人男性9名を対象に、
「朝食を食べる日」
「朝食を食べない日」
を比較した研究があります。
昼食と夕食には、
どちらの日も同じ内容と量の食事をとり、
24時間にわたって血糖値の動きを測定しました。
その結果、
朝食を抜いた日は、
朝食を食べた日と比べて、
昼食後の血糖値が
明らかに大きく上昇しました。
昼食後の血糖値の上昇幅は、
朝食を食べた日 約41mg/dL
朝食を抜いた日 約81mg/dL
と、およそ2倍になっています。
さらに、
24時間の平均血糖値には
有意な差がなかった一方で、
一日の血糖値の振れ幅も、
朝食を抜いた日に
大きくなっていました。
急激な食後血糖の上昇を
気にしている方にとっては、
見過ごせない結果でしょう。
では、半日断食はやめたほうがいい?
ここで、
もう一つ大切なことがあります。
この研究で調べられたのは、
「朝食を一回抜いたとき、
その日の血糖値がどう動くか」
という急性的な変化です。
一方、
近年研究されている「時間制限食」は、
計画的に毎日の食事を
一定の時間帯にまとめ、
食べない時間を
長く設ける食事法です。
2026年に発表された、
計2,287人が参加した
41件の研究を分析した結果では、
時間制限食を一定期間続けることで、
通常の食生活と比較して、
・体重
・腹囲
・空腹時血糖
・空腹時インスリン
・中性脂肪
など、複数の代謝指標に
改善がみられています。
つまり、
「朝食を抜くと、
昼食後血糖が上がる」と、
「計画的にとり入れる時間制限食が、
代謝指標を改善させる」は、
どちらも
矛盾なく起こり得るのです。
昼食後の血糖上昇を無視してよいわけではありません

ここは、
半日断食をご紹介している私たちも、
大切にしたいところです。
朝食を抜いて
強い空腹状態になり、
「お腹が空いたから大盛りの丼」
「ラーメンとチャーハン」
「菓子パンと甘い飲み物」
といった糖質中心の食事を
一度にたくさん食べれば、
当然、
食後血糖は急上昇しやすくなります。
意識したいのは、
長い空腹時間のあと、
最初に何を、
どのように食べるかです。
「半日断食をしているから、
昼食は好きなものを
好きなだけ食べていい」
ということではありません。
半日断食後の昼食で意識したいこと

まず、
空腹だからといって、
一気にたくさん食べないこと。
そして、
ご飯、パン、麺などの
糖質だけで食事を済ませず、
野菜、魚や肉、大豆製品などを組み合わせ、
一食として整えることです。
食べる順番もひと工夫できます。
日本の健常成人を対象にした研究では、
米飯よりも野菜サラダを先に食べた場合、
食後の血糖値の最高上昇幅が平均21%低く、
食後2時間までの血糖上昇の総量も
平均39%低くなりました。
2型糖尿病患者を対象にした研究でも、
複合料理の前に野菜を食べることで、
その後の血糖上昇が抑えられています。
半日断食後の最初の食事だからこそ、
野菜や主菜を取り入れ、
糖質だけを一気に食べず、
ゆっくり食事をする。
この小さな工夫が大切です。
実は「夕食」も大事
時間制限食の研究が進むにつれ、
「食べる時間」も
重要であることが分かってきました。
前述した2026年の解析では、
時間制限食全体に
代謝面でのメリットがみられた一方、
食事時間を
一日の早い時間帯に設定した方法のほうが、
遅い時間帯に設定した方法より、
体重や空腹時インスリンなどで
良好な結果となりました。
これは、
半日断食を考えるうえでも
重要な示唆です。
「朝食を抜くこと」
だけを目的にするのではなく、
夜遅い食事を避け、
翌日の昼食まで
一定の空腹時間をつくること
が大切です。
半日断食をする時こそ、「食べ方」を考える

今回ご紹介した研究から
私たちが学べるのは、
朝食を抜いたあとの昼食では、
血糖値が上昇しやすくなる可能性がある。
だからこそ、
「断食していない時の食べ方」を大切にする。
ということです。
食べない時間を意識して設けるなら、
その前の夕食は遅くしすぎない。
空腹の反動で食べすぎない。
断食後の昼食を糖質だけにしない。
野菜や主菜を組み合わせる。
こんなことを工夫してみては
いかがでしょうか。
ご注意
半日断食は、
すべての方に適した食事法ではありません。
・糖尿病の治療中
・インスリンや血糖降下薬を使用中
・妊娠・授乳中
・成長期
・低体重
・その他疾患の治療中
である場合、
食事を抜くことで
低血糖や栄養不足などに
つながる可能性があります。
食事回数や食事時間を大きく変更する場合は、
主治医や管理栄養士等にご相談ください。
参考資料
1.緒方 瞳ほか(2019)
「健康な若年者における朝食欠食と昼食後高血糖との関連」
『British Journal of Nutrition』
2.国立健康・栄養研究所
「朝食欠食は昼食後の血糖の急上昇を引き起す?」
『健康・栄養ニュース 第64号』
上記研究の内容を日本語で分かりやすく紹介した資料。
3.日本糖尿病学会誌『糖尿病』
「低Glycemic Index食の摂取順序の違いが食後血糖プロファイルに及ぼす影響」
健常成人を対象に、野菜と米飯を食べる順番による食後血糖の違いを検討した研究です。
4.日本糖尿病学会誌『糖尿病』
「2型糖尿病患者における野菜の摂取順序が食後血糖値に及ぼす影響―複合料理を用いて―」
野菜を食事より先に摂取した場合の食後血糖への影響を検討しています。
5.時間制限食のタイミングと代謝指標に関する系統的レビュー・ネットワークメタ解析
『BMJ Medicine』2026年
41件のランダム化比較試験、2,287人を対象に、時間制限食の効果と食事時間帯の違いを解析した研究です。
カテゴリ
プロフィール
- 花澤 久元
-
- 誕生日:1946年11月6日
- 血液型:O型(Rh+)
- 趣味:スイマグ造り卒業、もっか青汁作り
- 自己紹介:
母親に首根っこつかまれて飲んでいたスイマグとの付き合いも早70年。
起きがけのスイマグ飲用を忘れず、青汁作りに精を出し、夕食を待ちこがれる”マイナス腸活”を楽しんでいる。
